昨今、夫の不倫調査を依頼する妻が増えているという。妻は夫の不倫をどこで気づくのか。都内にある中堅調査会社の調査主任は、妻が夫に不審を抱く瞬間を、以下のように語る。
「外泊や休日出勤の増加、帰宅時間が遅くなる、金遣いが荒くなると奥さんは疑惑を持ちます。普段なら『今日は遅くなるから』という電話を夜になってしてくる夫が、その日だけは昼にしてきた、といってきた奥さんもいました。要するに、横に女性がいると電話しにくいから、昼間電話したのでしょうが、奥さんは怪しいと感じます。
自宅で使うのとは違う石鹸の匂いをさせる、急にオシャレに気を遣うようになったのも、浮気の兆候として確実に嗅ぎつけられますね」(調査主任・以下「 」内同)
クレジット会社からの請求書を、夫に無断で開封する妻は意外と多いらしい。夫が外出したら、すかさず日記やスケジュール帳を開く妻もいる。
とはいえ、主任によると不倫をする夫は決まってワキが甘くなる。
「依頼者のご主人も、去年の暮れからケータイを肌身離さぬようになったそうです。近所にタバコを買いにいくからと、サンダル履きで外出する際にもケータイ持参です。しかも1時間近く帰ってきません。これじゃ奥様が疑念を抱くのは当然です」
主任は、不倫発覚のきっかけのほとんどがケータイだと指摘する――ベッドでこそこそメールをチェックする、風呂やトイレにまでもって入る、深夜に「得意先」や「上司、部下」から連絡が入る……などなど。
「ケータイは不倫情報の宝庫であり重要証拠です。依頼者が望めば、消されたメールの回復もやりますよ」
離婚を法廷に持ち込んだ場合、民事裁判では、訴えた側が証拠を集める必要がある。
「だからこそ、私たちは不審に思ったケータイの通信情報を証拠保全するようアドバイスします」
通信内容や手紙などを無断で検閲、開封することは法に触れる。だが、同居している夫婦間で配偶者のケータイを盗み見ることは、実際にはグレーゾーンだ。
「夫婦間でのケータイ情報をどう取り扱うかは、あくまで夫婦間のマナーやルールの問題なんです」
依頼人は調査主任の話を聞いて、「そういえば数週間前に、こんなことがあった」と告白した。
「メールをしている主人の画面を何気なく覗いたら、真っ赤なハートマークがいくつも打ち込んでありました。私へは、絵文字のひとつもメールしたことなんて一度もないのに」
※週刊ポスト2012年7月6日号