50℃のお湯で食材を約1~3分洗うだけで鮮度再生、旨みがアップするという「50℃洗い(50度洗い)」。発見者であるスチーミング調理技術研究会代表の平山一政氏が新刊『50℃洗い』(小学館)を発売するなど、日本中で話題騒然だが、そうした「50℃洗い」を実践している一人が、節約アドバイザー&ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんだ。
「うちは5枚入り500円以下という鶏の胸肉のパックをまとめ買いするんです。パサパサしているのが残念な点ですが、『50℃洗い』をすると不思議なほどふっくら柔らかくなるんです。
おかげで牛肉の切り落としを鶏の胸肉で代用することが増え、我が家では胸肉購入率がアップ。肉に関しては月に1500円の節約になっています。野菜も、葉先がしなびてきたサニーレタスが50℃洗いでシャッキリ。これなら安い見切り品でもサラダが作れますから、『50℃洗い』は節約の大きな味方です」
主婦だけでなく、プロの料理人にも実践者は多い。千葉・海浜幕張のフレンチレストラン『ヴァン・ウタセ』オーナーシェフ・宮野輝明さんが語る。
「『50℃洗い』の効果を1年半前に知って以来、ずっと実践しています。ドレッシングで和えると葉っぱがペタッとくっつく水洗いのレタスやキャベツも、50℃で洗うとイキイキとした野菜本来の姿に戻ります。特に断面などが酸化しにくくなるので、保存にも適していますね。
切り身や冷凍の魚は、さっと50℃のお湯に通すだけで生臭さが消え、酸化した脂も取れますし、鶏肉もふっくら。『50℃洗い』したえびは生臭さがなくなり身がプリッと引き締まります」
撮影■太田真三
※週刊ポスト2012年7月6日号