6月9日のオリックス戦後、怠慢な守備で相手に追加点を献上した阪神・マートンが「(先発の)能見(篤史)サンが嫌いだから」といい、それをスポーツ紙が“暴言”と書いて騒動になった。一体何が起こったのか。“アニキ”こと金本知憲に直撃した。
金本(以下同)「マートンも新ストライクゾーンで苦しんでいる。緩慢プレーはミーティングでチームメイトにちゃんと謝ったのに、その後に記者にしつこく質問されて、“ハイハイ、ボクが能見サンを嫌いといえば満足でしょ”とキレてしまったようです。
まァ、メディアは騒ぎましたが選手は誰も気にしてない。僕は能見が入団したときからロッカーが隣なんだけど、“オレも能見サンが嫌い”とジョークをいったら能見も笑ってたよ。阪神が勝てないときは、いままでは僕が“戦犯”だったけど、今回はマートンが勝てない責任を押し付けられたんじゃないですか。新井が選ばれてもよかったところじゃない?(笑い)」
――その弟分・新井の調子もイマイチ……。
「あんなに気持ちの弱い男は弟分じゃないよ(笑い)。6月16日のロッテ戦1回1死満塁の場面で打順は新井サン。見事にフライアウトでしたよ(苦笑)。新井は僕が右肩を痛めた2年前から4番に座り、チャンスに弱いとマスコミに叩かれ、昨年も4番を任されたが途中で外された。
今年こそ1年間守り抜くという強い気持ちの中で4番を打ってきたが、それが力みに変わり、あせりになった。いまはどう修正したらいいのかわからなくなっている状態じゃないかな。
チーム内では“トドメの新井”で有名だから、チーム全体の調子が上がってイケイケムードになれば打つようになると思う。プライドは誰よりも高い男ですから。気が小さいのがタマに傷です(笑い)」
※週刊ポスト2012年7月6日号