野田佳彦首相(55才)が「政治生命を賭けて」臨んだ消費税増税法案の衆議院採決(6月26日)で、反対票を投じた小沢一郎元代表(70才)。小沢氏に呼応して法案に反対した民主党所属議員が57人に上ったことで、当日の報道は、「民主党分裂」「小沢氏離党、新党結成へ」という予測であふれた。だが、現実はそれほど簡単ではない。
「仮に小沢さんが57人全員を引き連れて離党し新党を結成しても、その後、政界に影響力を保つのは非常に難しい」
そう語るのは、民主党の中堅議員のひとりだ。
「小沢さんを支持しているグループは、前回の総選挙で初当選した1年生議員が中心で、数少ないベテラン議員も含め、選挙基盤は盤石ではない。新党を結成しても、次の選挙で民主党や自民党、橋下徹大阪市長(42才)率いる『維新の会』ほかを相手に戦って当選できるのは5~6人、多くても十数人でしょう。そんな小政党では事実上、何の発言権もありません」
そもそも新党結成には10億円単位の巨額の資金が必要といわれるが、小沢氏の資金力にもかげりが生じている。
周知の通り、小沢氏の妻・和子さん(67才)は、支援者に対し、小沢氏は福島原発事故の直後、〈放射能を恐れて都内の自宅から西へ逃げた〉などと告発する手紙を送ったとされている。
「小沢さんは自分の資産を、夫人名義にするなどして蓄財してきたといわれています。ところがその夫人に反旗を翻されてしまったため、新党結成や選挙のために勝手に使うことができないのです」(全国紙政治部記者)
※女性セブン2012年7月12日号