1965年に公開された映画『日本一のゴマすり男』で、植木等が演じたサラリーマンは上司のヨイショに徹して役員にまで上りつめました。ゴマスリなんて、としかめっ面のあなた! たしかに、自分の出世のためにする人は嫌われますが、OLたちは日々の仕事を円滑に進めるため、うまく活用しています。OL4人が語り合いました。
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みさ(通信・26歳):どーしてオジサンってヨイショに弱いんだろ。だって「お若いですね」っていっとけば誰でも喜ぶじゃん。
あき(商社・28歳):オジサンの「いくつに見える?」って決まり文句も、ヨイショ待ちもいいとこだよね。しょうがないから、誰でも「35歳くらいにしか見えない」っていっとくんだけどさ。そうするともう大喜び。
りの(広告・32歳):物はいいようだから、ゴマなんかいくらだってすれるよね。八方美人は「気配り上手」、小心者は「慎重派」、ジコチューは「リーダーシップがある」、デブは「貫禄がある」、ガリガリは「細マッチョ」とかさ。
はる(旅行・29歳):いう事がコロコロ変わる朝令暮改オヤジには、「さすが部長、常に最新情報を見てご判断なさるんですね」とかさ。半分イヤミなんだけど。
みさ:やるね。実は私にも「殺し文句」があってさ。上司なら誰にでも、「私、〇〇さんみたいになりたいんですっ」っていうの。「△さんみたいなプレゼン上手になりたい」とか。これさえいっとけば、上司は絶対自分を守ってくれる。
はる:確かにウチにも、何の取り柄もないのに上司に「まぁ、ごリッパ」を繰り返すだけで延命してるお局もいるもんな~。
りの:でも、誰にでも同じこというのは効果薄でしょ。私は、闘争好きって男の本能を刺激するためにあえて、「〇〇部長より尊敬しています」とか「△課長より係長のほうがずっとスゴイです」って、差別化するように意識してんの。
あき:みんなスゴイね。私はゴマスリが得意じゃないから、失敗ばっかだよ。病気で痩せた人に、「ダイエット成功したんですね!」とか、ズラの上司に「いつも髪型がキマってますね」なんていっちゃったり。地雷ばっか踏んでる。
※週刊ポスト2012年7月6日号