お金持ちとそうでない人は何が違うのか? 家計の見直し相談センターの藤川太氏が、お金に関する固定観念を解き明かしていくマネーポストの好評連載「お金持ちの方程式」。今回は「節約」についての考え方を解説する。
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節約というと、食費や小遣いといったやりくり費を切り詰めようと考える方が少なくありませんが、実はお金持ちほど固定費の削減に長けています。「やりくり費よりも固定費の削減」――それがお金持ちを目指す第1の目標となるのです。
では、なぜ固定費を削減すると、お金持ちに近づけるのでしょうか。
考えてもみてください。やりくり費を節約しようとして、たとえば食費や衣料品、お小遣いを削るというのは、確かに手をつけやすいかもしれません。でも、そのほとんどが我慢を強いられ、何よりも生活レベルが下がることで、モチベーションも下がりがちです。これでは激しいダイエットと同様、長続きは期待できないでしょう。
これに対し、固定費というのは、たとえば生命保険の見直しは、最初こそ手間がかかりますが、場合によっては、月々支払う保険料を半分以下に抑えることもできます。それによって日々の生活レベルは下がらないどころか、むしろその分の資金的余裕が生まれる。しかも、日々の生活を我慢するのではなく、家計の仕組みを見直すわけですから、一度実行すれば、その効果はずっと続くわけです。
では、どうすれば固定費を削減できるのか。具体的な方法について見ていきましょう。
固定費のなかで大きな割合を占めるのが、やはり住宅ローンや保険料となります。生涯の総支払額でみれば、住宅ローンは数千万円、保険も1000万円は下らないといわれますから、当然といえば当然ですが、実はこの2つは、非常に節約しやすいものなのです。
住宅ローンは金利情勢によって変わってくるため、たとえばここ数年ほどで組んだような人が見直しをしたところで、さほど大きな効果は得られないかもしれません。それでも多くの場合、100万~200万円ほどの削減効果は見込めますし、今後の金利動向を見据えると、ぜひ機動的な対応も考えておきたいところです。
それよりも大きな効果が期待できるのが、生命保険の見直しです。無駄な保障を減らしても現在の生活にほとんど影響はありませんし、そもそも必要以上に保険に加入しているケースが少なくない。場合によっては1世帯で生涯支払う保険料を1000万円以上削減する効果も期待でき、むしろ見直さない手はないといってもいいでしょう。
(連載「お金持ちの方程式」より抜粋)
※マネーポスト2012年夏号