7月20~23日に開催されるオールスターゲームのファン投票最終結果が物議を醸している。6月18日の中間発表時点で1位は16.2万票を集めた田中賢介、井口資仁(37)は8.2万票で3位。ところが、それから1週間で約21万票を上乗せした井口が、最終的に野手の中では7人が選ばれた日ハム勢を逆転し、田中に約3000票差をつけて1位となった。
日ハムファンはショックを隠せない。というのも、防御率10位にも入らない斎藤佑樹や打率が2割に届かない中田翔と違って、田中は「ファン投票で選ばれて当然」の選手だったからだ。
「田中はキャプテンを務める生え抜き選手で、6月からずっとパの首位打者。人気・実力ともに申し分ない。当確だと思っていたのに……」(日ハム番記者)
もちろん元メジャーリーガーの井口も人気選手であることは間違いないのだが、2人の打撃成績(田中は.328、井口は.281、いずれも6月27日時点)を比べると、田中に軍配を上げるファンは多いはず。ましてや日ハムに“組織票”があったとするならば、田中が大差で選ばれていてもおかしくない。
あるベテランスポーツジャーナリストは、「中間発表から最終結果発表までの1週間で票を伸ばした選手に共通項がある」という。
「井口の21万票が最多ですが、セでは遊撃手部門の鳥谷敬(阪神)が19万票、二塁手部門の平野恵一が18万票を集めて、それぞれ中間発表で1位だった坂本勇人(巨人)、荒木雅博(中日)を逆転しました。
鳥谷も平野も人気選手ですが、今季の成績はやや期待外れで、チームも巨人や中日から引き離されている。選出に首を傾げるところもあるのですが、実はこの3人は同じマネジメント事務所に所属しているんです」
3人の“驚異的なラストスパート”には何かの理由があるのだろうか。所属事務所「PAMS」の担当者に聞くと、「選ばれたのは嬉しいですが、私たちも驚いているんです。もちろん当事務所が集票運動をしたなんてことはありませんよ」との返事だった。
そうはいっても、今回の球宴メンバーが野球ファンにはどうも腑に落ちない面子であることも事実だろう。日ハム選手や井口らは、そうした批判を吹き飛ばすためにも、球宴では「スターの実力」を存分に発揮してほしいところである。
※週刊ポスト2012年7月13日号