ライフ

インド人のアルツハイマー発症率が低い背後にカレーありか

 いまや65才以上の高齢者の10人に1人が認知症だといわれる時代。若いうちからの認知症予防も重要になってくるわけだが、順天大学加齢制御医学講座教授の白澤卓二さんは、こう話す。

「高脂肪、高カロリーの食事を長年摂取することで、認知症のリスクが高まることが近年の研究結果で明らかになりました。理想は20才のころの体重を維持することです」

 そのリスクを減らすためには食生活の改善が必須だ。

「摂りたいのはまず“地中海料理”。地中海料理は抗酸化作用のあるオリーブオイルや野菜、穀物、豆、魚、果物が多く使われているほか、赤ワインを飲む習慣があります。米ニューヨークで行われた調査で、地中海料理をよく食べている人は食べていない人よりアルツハイマーのリスクが68%も低かった。そして “香辛料”。

 インド人がアルツハイマー病に発症する確率はアメリカ人の4分の1。カレーに使われるウコンに含まれる“クルクミン”というポリフェノールが認知症予防に有効なのです」(白澤さん)

 しょうがのからみ成分ジンゲロールは体を温め、生活習慣予防に。とうがらしのカプサイシンは中性脂肪を燃焼させ、肥満予防にもなる。ウコンに含まれるポリフェノールのクルクミンは脳の老化を予防しアルツハイマー発症のリスクを軽減するという。

“地中海料理”に使われる食材として欠かせないのが野菜で、緑黄色野菜に含まれるビタミンA、C、Eには抗酸化作用がある。また、トマトのリコピン、にんじんのβカロテンなど、野菜に含まれるファイトケミカル(植物化学物質)は、老化のもとになる活性酸素が増えるのを防ぎ、アルツハイマーを予防する。

 これまた地中海料理に欠かせないオリーブオイルは、酸化しにくいため血液中の悪玉コレステロールを減らすだけでなく、ビタミンやミネラルも豊富だ。さらに、食中酒にはワインが最適。数種類のポリフェノールが含まれていて、アルツハイマーを予防。寿命を延ばす働きもあるという。

※女性セブン2012年7月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン