独居老人の寂しさにつけ込んで、カネを巻き上げようという輩が増えている。都内に住む40代会社員Aさんが悩みを打ち明ける。
「72歳になる父が都内でひとり暮らしをしているのですが、足が不自由で出歩くことができない。それなのに、知り合いのスナックのママが差し入れの料理を持って自宅までやってきて、タクシーを呼んで店まで連れていくんです」
これだけならほほえましい話である。しかし、Aさんの父親がスナックに支払っている金額を聞くと、そうは思えなくなる。
「2~3時間いて5000円が相場の店なのに、父は毎回3万円以上取られていたんです。平日は毎日のように連れていかれて、月50万~60万円はその店に注ぎ込んでしまった。気がついたときには1000万円以上あった貯金は底をつきかけていました。父は“親切な女性を悪くいうな”と、ボッタクリにあっていることすら理解していない」
慌てたAさんは、父親の通帳を預かり、毎月必要な生活費だけを渡すようにした。するとママはピタリと迎えに来なくなったという。
※週刊ポスト2012年7月13日号