夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(58歳)が家電メーカー勤務の奥様(56歳)。婚活中の娘さんがいます。
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32歳と28歳の娘がいるんですが、私たち夫婦の願いは、長女に1日も早く結婚してもらうことです。とにかく主人は孫が欲しいらしく、会社の人と行くカラオケでも、「歌うのは『孫』だけ」だそう。
長女は乗り気じゃなかったんですが、主人が入会金10万円を出し、コンピュータでお見合い相手を探してくれる会社の会員にもなりました。男女とも独身証明書を提出しますし、身元がハッキリして安心なんです。長女を前にし、「孫が欲しいというお父さんの願いを叶えてくれ」と頭を下げる主人。
「紹介してもらった男性とはいつどこで会うんだ?」
「今度の日曜、ホテルの喫茶室でお話するの」
「それだけか?」
「最初はそうよ」
「そんなまどろっこしいことしてる場合か! これを持って行け」と、長女に1万円を差し出す主人。「何これ?」「ラブホテルに誘って、子供を仕込むんだよ」
私が横から「呆れた! そんなこと娘にいう父親なんていないわよ」と口出しすると、「余計なこといってないで、娘のために、男がムラムラするティーバッグを買ってこい!」ですって。わかったわ。セイロン産にする? それともアッサム?
※週刊ポスト2012年7月13日号