FX(外国為替証拠金取引)のシステムトレードがブームになっている。国内FX会社でも売買ツールを提供するところが増えてきている。
シストレのツールは、『メタトレーダー4』(MT4)と『ミラートレーダー』が世界の主流で、そのどちらかを選べば安心だろう。
だが、それぞれに対応する売買ソフトとなると、何百種類もあるのが現状。そこで、今回は、売買ソフトを選ぶ際のポイントを解説しよう。
最初にシストレのツールについて解説しておこう。ツールによって、売買ソフトの選び方が変わってくるからだ。まず、現在世界中で最も多く使われている『メタトレーダー4』(MT4)。そもそもは、高性能チャートソフトで、シストレをするためには、自動売買ソフトである『エキスパートアドバイザー』(EA)をインストールしなければならない。MT4は無料で使えるが、EAは無料のものと有料のものがある。
通常、国内のFX会社でMT4を提供しているところであれば、ユーザー向けに、無料で使えるEAをいくつか用意している。まずは、それを試しに使って、操作に慣れておこう。EAは、すでに世界中のプログラマーによって、多数(おそらく数千種類以上)作成されているので、他のEAを使いたくなったら、国内外のEA提供サイトでダウンロードして使うことができる。
一方、MT4に次いで多く使われているのが、『ミラートレーダー』だ。売買シグナルを出す『ストラテジー』は、ツールに組み込まれているのでインストールの必要がない。FXの経験が浅いビギナーでも手軽にシストレができる点が特長だ。
ストラテジーは300種類以上あり、すべて無料。また、ミラートレーダーを開発した企業がストラテジーを管理しており、トレードの成績などを表示する画面や、検索できる画面もある。したがって、MT4におけるEAを選ぶよりも、ミラートレーダーのストラテジーを選ぶ方が、比較的容易だということができる。
しかし、評価が高くとも、そのストラテジーがユーザーにとって合っているかどうかは別問題である。例えば、取引回数が少ない、利益が出てから決済するまでに時間がかかるタイプのストラテジーだとすると、含み損が大きくなる可能性があり、預ける維持証拠金の必要額が多くなるからだ。それは、EAにも当てはまることで、やはり売買ソフトを選ぶには、理解しておくべきポイントがいくつかある。
重要なのは、なんといってもトレードの成績。トータルで利益を出しているかどうかで、そのEAあるいはストラテジーの評価が決まると言える。だが、前述したように、トレードのスタイルによっては、ユーザーの向き・不向きがあるので、そのEAまたはストラテジーが、どういったトレードで利益を出しているのかを理解しておく必要がある。
そこで、活用したいのが、最近続々と登場している「比較・検索サイト」だ。数多く存在するEAやストラテジーを比較して、トータルの評価やメリット・デメリットを明らかにしている。また、実際に使っているユーザーのコメントを掲載しているサイトもあり、これも参考になる。つまり、売買ソフト選びが上達するコツは、そうした比較・検索サイトを上手に使いこなすことが早道なのである。
※マネーポスト2012年夏号