衆議院での消費増税法案の採決で57人の造反者が出るなど、分裂状態に陥った民主党。早くも小沢新党の資金繰りなどに注目が集まった。民主党執行部サイドや自民党からは資金難という噂も流れたが、政治資金収支報告書によると、小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」が所有する不動産だけで約8億円相当あるが、それ以外にも旧自由党の政治資金団体だった「改革国民会議」に約9億7400万円の資金を残しており、小沢氏は資金面で心配はしていないようだ。
そんな小沢氏のもうひとつの軍資金と見られているのが鳩山由紀夫・元首相の「40億円臨時収入」だ。民主党中間派議員はこう指摘する。
「鳩山兄弟が母の安子さんからブリヂストン株など約41億円ずつ生前贈与を受けた。半分は税金で持って行かれるとしても20億円ずつは残る。由紀夫さんは離党を否定しているが、新党に意欲的な弟の邦夫氏も消費税法案の採決では欠席しているし、落選中の邦夫ジュニアも再起をめざしている。鳩山家の“子ども手当”がまた政界再編の資金源になるのではないか」
この鳩山資金は官邸も把握しており、鳩山氏はグループの議員たちに生前贈与を受けたことを認めている。
鳩山由紀夫事務所では「国会議員の資産報告で定められた通り届け出ている。資産の異動は主として親族からの現金、株式、不動産の贈与によるもの。(政界再編の資金説については)特にコメントはありません」という。
もっとも、小沢グループ議員にいわせると、「鳩山さんの資金をアテにしなくてもすでに結党資金のメドはついている。新党の本部もあたりをつけており、かつて新生党本部があったビルや旧新進党本部のビルなどに絞っている」と、威勢がいい。
※週刊ポスト2012年7月13日号