かつてプラモデル作りに熱中した中高年世代が、再びその魅力にハマる“出戻り現象”がいま起きているという。著名人にも愛好家は多い。
イラク、アフガンなどの紛争地帯から日本各地のニュースの現場まで、国内外を飛び回る宮嶋茂樹さん(51)。報道カメラマンとして活躍する一方、旅先にキットと道具を持参し、年間20機以上の“飛行モノ”プラモを作り続ける。
「9.11以来、飛行機に乗る際、刃渡り1センチ以下のデザインナイフでも機内持ち込みが禁止になったおかげで、前のように気軽に旅先でプラモデルを作れなくなりました」
最初に作ったプラモデルは父親と作った「大和」。昨今は、1/48スケールの飛行機やヘリで、実際に乗った機種を中心に作製する。
「買い置きのキットの半分は実家にあって、計算してみたら一生かかっても作りきれないほどでした。手に持っている『シコルスキー』というヘリにはインドネシアで乗ったことがあります。模型の魅力は、自分の創意工夫次第で悪戯もできてしまうところでしょうか」
実体験や願望を混在させ、自分だけの世界を楽しめる。それもまたプラモデルの大きな醍醐味だ。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2012年7月13日号