いよいよ夏のボーナスシーズン。家電量販店にはボーナス狙いの新商品が目白押しだ。そこでこの夏の注目家電とその選び方について流通ジャーナリストの金子哲雄氏が伝授する。
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昨年までの家電エコポイントや地デジ特需、夏の省エネ商戦で白物家電や地デジ対応テレビの買い替えが一巡した後、家電業界は「冬の時代」に突入している。消費者の多くは、「いまさら改めて買いたい家電なんてない」という気分かもしれない。
しかし、個別の商品を詳しく見ていくと、新しいトレンドや、あると生活が楽しく豊かになる家電が続々と出てきている。今回は、夏のボーナスで狙いたいオススメ家電をご紹介しよう。
まず、最近の人気商品に共通するキーワードとして挙げられるのが、「お母さんの『ひとり時間』充実家電」だ。家族を送り出した後の主婦が家でひとりで過ごす時間や、ひとりの入浴タイムをより豊かに楽しくしてくれるような家電が、人気を集めているのだ。
一例を挙げると、自宅の浴室でシャンプーをしながらヘッドスパ気分が味わえる『頭皮エステ EH-HE94』や、入浴しながらテレビや録画した番組を楽しめるポータブル地デジ防水テレビ『「VIERA」SV-ME5000』など。
また、1杯抽出型カプセル式コーヒーメーカー『ネスカフェ ドルチェ グスト ジェニオ』は、コーヒーやエスプレッソはもちろん、宇治抹茶ラテやココアなどの本格カフェメニューが、ボタンを押すだけの簡単操作で作れる。「おうちカフェ」を楽しむには最適、とヒットしている。
掃除機では「ルンバ」シリーズが、ひとり勝ち状態。国内外の家電メーカーが相次いでロボット掃除機に参入したが、店頭では「ルンバ」を指名買いする人が圧倒的に多い。留守中にひとりで部屋を掃除してくれる姿に愛着がわくのか、ペットのように名前をつけてかわいがっている家庭も多いという。
東日本大震災以降、高機能で高価な炊飯器やオーブンレンジ、ホームベーカリー、コーヒーメーカー、ジューサーなどの調理家電が売れている。「家族の絆を深めたい」と考える人が急増し、自宅で家族一緒に過ごす時間が増えてきた結果、「おうちリッチ」志向のプチ贅沢商品が注目されるようになったのだ。
家庭で心豊かな時間を過ごしたいというニーズに応える「おうちリッチ家電」は、今年も引き続き、要注目のジャンルとなるだろう。先に挙げた「お母さんの『ひとり時間』充実家電」も、広い意味でいえば「おうちリッチ家電」に含まれる。
※マネーポスト2012年夏号