男子マラソンの藤原新(30)や女子卓球の平野早矢香(27)ら、五輪代表選手5人が所属する「ミキハウス(三起商行)」の“太っ腹”報奨金が話題だ。6月28日に行なわれた同社の壮行会で、五輪に出場する選手に激励金として100万円を手渡しただけでなく、木村皓一・社長(67)が「金メダルを獲得したら5000万円ぐらいはあげないといかん」とブチ上げたのである。
「木村社長はアテネでは、卓球の福原愛に“金メダルを獲ったらロールスロイス数台分(ロールスロイスは1台約4300万円)は出す”といったり、北京の時は柔道の野村忠宏に“3連覇が実現したら1億円”と宣言して、実際に支払ったといわれる。今回も、さすがといったところでしょう」(スポーツジャーナリスト)
しかしこんな大きな「ニンジン」をぶらさげられると、選手がかえって緊張するのではないか。
「5人の中で最も金の可能性がある平野は、ビックリして目をまん丸にしていましたが、“元無職ランナー”の藤原はガッツポーズしていました。男子マラソンでの勝利は正直苦しいですが、カネに目がくらんで勝ってしまうかもしれない(笑い)」(スポーツ紙記者)
「ニンジン効果」は出ているようだが、ミキハウスの社員はどう思うのか。広報部に聞くとどうも歯切れがよろしくない。
「ウチとしては正式に発表したわけじゃないので……。具体的なことはご勘弁ください。社員一同、選手を応援していることは間違いないのですが……」
どうやら社長の「鶴の一声」だったようだ。社員にとって選手は同僚。ましてや藤原は5月に所属契約を結んだばかりの“新入社員”。「応援したいけど、勝ったらオレたちの10年分の給料が手に入るのか……」、そんな複雑な気持ちなのかもしれない。
※週刊ポスト2012年7月20・27日号