中国人スパイが沖縄で、地元のアマチュアカメラマンにギャラを払って米軍の最新鋭機などを撮影させている。また、中国人スパイ自ら写真撮影を行なうこともある。その背景には、沖縄は非常にスパイ活動がしやすいという事情があるという。ジャーナリストの井上和彦氏が報告する。
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米軍は中国本土からやって来る中国人にも神経を尖らせている。ステルス戦闘機F22ラプターが嘉手納基地に飛来したり、先の北朝鮮弾道ミサイル発射時に合わせてWC135大気収集機など珍しい機体がやって来たり、あるいはそれが予想されると、大陸から中国人がやって来る。彼らは那覇空港に到着すると、寄り道をせずに、タクシーで「道の駅かでな」に直行する。写真撮影など諜報活動が主目的であることは明白だ。
「道の駅かでな」を撮影ポイントとするのは、そこから嘉手納基地内部が一望できるからだが、もともと、嘉手納基地の国道58号線沿いの境界線は、金網フェンスではなく、基地内を覗かれないようにコンクリート製の高い塀が作られていた。ところが平成15年から、鉄筋コンクリート造4階建ての「道の駅かでな」ができたことで、嘉手納基地は丸見えとなっている。この施設は、「米軍嘉手納基地が一望できる展望フロア」などと観光スポットとして紹介されているが、実態は“スパイスポット”となっているのだ。
そして展望テラスには、わざわざご有料の高倍率双眼鏡が設置されている。しかも展望フロア階下の学習展示室では、展望フロアに設置されたカメラをズームして基地の中を覗くことができるから悪趣味としか言いようがない。基地に対する嫌がらせとは思いたくないが、結果として中国のスパイ活動を利することになっている。
※SAPIO2012年7月18日号