外食する上で気になるのが「原価率」。飲食店のコストには食材費、人件費、水道光熱費、家賃などがあり、そのうち売り上げに占める食材費の割合を一般的に「原価率」という。
日本人は大のマグロ好き。原価率が40~50%と他の飲食店に比べて高い回転寿司屋もマグロには力を入れている。しかし、原価率が最も高いのもマグロだ。
「マグロの仕入れ値は最低でも1キロあたり1500円以上はするので、105円で販売するとなると、原価率は50%を超えることもある。ある大手チェーンでは、1貫あたりのマグロの量を1グラム減らしただけで原価率が1%下がり、1日の利益が100万円も上がったという話もあります」(フードコンサルタント・飯田真弓氏)
ウニやイクラも店にとっては儲からないネタ。逆に玉子、エビ、イカ、タコ、サーモンなどは原価が低い。一般の寿司店はどうか。
「マグロの大トロは仕入れでキロあたり1万5000円から2万円する。元が高いからうちは1貫1500円で売っているけど、はっきりいって赤字。でも看板だから出さないわけにはいかない。逆にありがたいのは光り物で、300円で出しているコハダの原価は1匹80円。開いて2貫出せるから80円が600円になる」(都内の寿司店店主)
大トロを注文し続ければ、店がつぶれてしまうかも。その前に自分の財布がもたないか……。
※週刊ポスト2012年7月20・27日号