インドネシア・バリ島の住民で「アニキ」こと丸尾孝俊氏(46)を知らない人はいない。食うにも困るほど貧乏だったアニキは、日本からバリに渡り、不動産ディベロッパーとして成功し、「試算することができないほどの資産」を持つ、超ウルトラ大富豪になった。
いまや30社のオーナーで、かかえる従業員は5300人、自宅は25軒という世界レベルだ。その秘訣を知ろうと、日本から年間800人がアニキの元を訪れ、著書もベストセラーに。本誌が直撃すると、アニキは二つ返事でバコーンとその極意を、遠く離れたバリから教えてくれた。
【初対面から「自分の恥」をバコーンと晒せ】
仕事で成功するには、とにもかくにも周囲の人たちと信用関係を築くのが大事だというアニキ。
「初対面から完全に本音丸出しで、パーンと飛ばしていくのがええねんて。開口一番、『はじめまして、僕、30歳までオネショ炸裂してました』とかな。思ってもいない社交辞令ばっかりをいうヤツと、相手を信用して本音丸出しでバコーンと自分の恥をさらしていくのと、どっちが親しくなれると思う?」
こちらが答える間もなく、アニキが続ける。
「最初から『自分の恥』を出してくる人は、相手を信用している証拠やから共感を持たれるし、信用されるんや」
【失敗は他人事にするな! 自分ごとにせえ!】
1回や2回どころか、何百回もの失敗をくり返してきたというアニキ。アニキによれば、人間が本当に成長するのは、実は失敗した時だけだという。さらに会社がうまくいく秘訣も失敗にあるとか。
「一番ええのは、失敗を共有することや。例えば部下が失敗したら、上司はそれを『自分の責任』にする。失敗を他人事ではなく、自分事にできるかどうか。それができれば、会社の一体感につながるわけや」
さらに失敗した部下や仲間を励ます決めゼリフを、教えてくれた。
「『オレも、そうやったんや』もしくは『オレも、一緒やねん』。これいったら、もう完全にOKや」
※週刊ポスト2012年7月20・27日号