野田政権は消費税率を2014年4月から8%、2015年10月に10%に引き上げようとしている。そのほか、復興増税も加わり、国民の負担は大きく膨らむ。政府は「痛みを分かち合う」と今年から高すぎる国家公務員の給料を引き下げたが、国民への消費税増税が恒久的に続くのに対して、役人の給与カットは「2年限定」だ。
官僚たちは家に帰っても税金をしゃぶり続ける。
朝霞住宅建設の5年間凍結で注目を浴びた「格安官舎」は、現在も国家公務員の分だけで全国に約22万戸ある。
例えば東京・江東区のウォーターフロントに建つ高級マンション「東雲住宅」の家賃は3LDKで4万3610円だ。同規模の民間マンションの周辺相場は約25万円だから、相場の約6分の1である。現在、東雲住宅は、全900戸のうち787戸を被災者に提供しているが、113戸は公務員用の住戸となっている。
民間企業の場合、住宅手当は月額で平均1万6000円程度(中央労働委員会調べ)とされる。同条件のマンションに住めば、自己負担は23万4000円。
一方、東雲住宅の家賃は4万3610円だから、月額約19万円、年間で約228万円が浮くことになる。
民間なら「みなし給与」として課税されてもおかしくない現物支給を受けているわけだが、当然役人たちが課税されることはない。霞が関は丸ごと脱税集団なのである。増税する前に、まずこの税逃れを取り締まるべきだろう。
まだまだある。官庁内にある売店では、生活用品を格安購入することができる。例えば霞が関の合同庁舎第3号館1階にある国土交通省内の薬局の値札をチェックしてみよう。
●缶コーヒー「WONDA」:80円
●「ウイダーinゼリー エネルギーイン」:170円
●「クリーム玄米ブラン」:130円
同じ商品を近隣のコンビニで買えば、それぞれ120円、204円、152円。2~3割引きは当たり前だ。
職員の福利厚生の一環として、庁舎内に安い賃貸料で出店させる代わりに商品を値下げさせているのである。本来国庫収入になるはずの賃料収入で役人の食費・生活費を補填しているに等しい。
※週刊ポスト2012年7月20・27日号