尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因で男女とも性器や肛門の周囲にイボができる病気だ。男女合わせ年間約10万人が感染するといわれ、症状は男性が主に亀頭や冠状溝や尿道、陰のう、肛門など、女性は外陰部と子宮口や粘膜などに、乳頭状やトサカ状のイボができる。
大きさは1~3ミリ前後で次第に範囲が広がる。大きな自覚症状はないが、痛みやかゆみを訴えることもある。
HPVは性感染症で、皮膚や粘膜にある小さな傷から侵入して感染する。潜伏期間は平均2.8か月と長く、いつ発症したのか自覚がなく感染源特定が難しいことが多い。
治療は2007年にイミキモド5%クリームが保険適用になり、現在は第一選択になっている。使用法はイミキモド250ミリグラムを患部に塗布し、6~10時間後に水か温水で洗い流す。これを1週間に3回、最長16週(4か月)行なう。
約80%で赤くなったり、ただれる皮膚反応が起こり、治療をやめるケースも多い。イボが消えてもウイルスが残っている可能性があり、3か月間再発しないことを確認して完治になる。他に凍結療法、電気焼灼療法、炭酸ガスレーザーなど外科的治療があり、患者の希望や症状を見ながら、最適な方法を組み合わせ治療する。
「イミキモド5%は再発率が低いのですが、治療に長い時間がかかるため治療意欲が低下、不安になる方が多いのが問題です。諦めず継続できるよう医師と協力して治療するのが重要です」(宮本町中央診療所・神奈川県川崎市の尾上泰彦院長)
(取材・構成/岩城レイ子)
※週刊ポスト2012年7月20・27日号