塩麹の大ブレイクをきっかけに、いま、発酵食のよさが見直されている。なかでも昔から日本人の食卓にあった「みそ」は健康・美容効果が抜群で、何よりも手軽に使える日本が誇る発酵食だ。
歴史を動かした偉人たちがこよなく愛したみそ。貴重なたんぱく源として日本人を支え、がんや生活習慣病、放射能リスクの軽減など、いまも昔もキング・オブ・発酵食なのだ。
「みそは麹菌により大豆を発酵、熟成させた食品です。その過程で、元来豊富な大豆の栄養成分に、みそ独自の機能性成分やうまみが加わります。どんな食材とも相性がよく、そのうまみを引き出すので、調味料としても大変優秀なのです。古来、日本人は農耕民族で、動物性たんぱく質が不足しがちでした。
それでも生き抜けたのは、良質の植物性たんぱく質が豊富なみそのおかげといえるほど。みそは、いまや海外でも人気の健康食。そのよさを見直してほしいですね」(東京農業大学名誉教授で『味噌・醤油入門』の著書がある山本泰さん)
みそ工場第一号は伊達政宗の御塩噌蔵だといわれている。伊達政宗は青葉城下に御塩噌蔵というみそ蔵を造営し、保存性にすぐれた赤辛みそを製造していた。豊臣秀吉による諸藩合同朝鮮出兵の際、仙台藩のみそだけが腐らず他藩に分け与えたことから、仙台みそが一躍有名になったとも。
大のみそ好きといわれた徳川家康は「五菜三根」(5種の葉野菜と3種の根菜)の具だくさんみそ汁を毎日のように食べていたといわれる。平均寿命が37~38才の時代に75才まで生きた家康は、みその健康効果を実証する代表的好例といえるだろう。
近年、生活習慣病やがん予防にも有効な健康食品としてアメリカ、韓国、カナダなどでみその人気が高まり、2000年以降、10年で輸出量は約2倍に。スープとして、またパンに塗って食べたりもするとか。
※女性セブン2012年7月26日号