電動アシスト自転車は年配の人が近所の買い物で使うもの、なんていうイメージはもう古い。いまやアシスト力、充電パワー、オシャレ度などすべての面で格段の進歩を遂げ、利用者も増加中だ。ヤマハ発動機広報宣伝部の奥村里美さんは、女性に人気の一因をこう分析する。
「2009 年に幼児ふたりを自転車の前後に乗せる“3人乗り”が解禁になり、パワーと安定感のある電動アシスト自転車が子育て世代の強い味方になったことは大きいですね」
東日本大震災の影響もあったという。
「震災などの影響から自転車が見直されたこともあり、2011 年度の電動アシスト自転車市場は好調です」(パナソニック サイクルテック営業グループ・西本早希さん)
社団法人自転車協会の荒木基暁さんもこう話す。
「電動アシスト自転車は1994 年に発売され、当時の出荷台数は約9万台でしたが2011 年にはおよそ43万台に。2008 年には道路交通法施行規則が改正されて、電動アシスト自転車のアシスト比率が向上。従来は人力1に対し、モーターによる補助率が1でしたが、改正で補助率が2倍になり、より快適な走行が可能になりました」
スピードによる危険性を心配する声もあるが、機能面や安全性はかなり向上している。
「電動アシスト自転車は時速24kmまでは補助しますが、それ以上のスピードは自力でしか出せません。さらに、最近のモデルは充電の容量も増え、1回の充電で走行距離も長くなっています」(荒木さん)
いまやファンは増え続け、電動アシスト自転車の専門店まで登場するほどに。『サイクルショップオギヤマ』(東京・大田区)では、店舗の1Fは電動アシスト自転車のみを扱い、常時230~270台を用意。土日は人でごった返しているという。
「多いときは月に250台くらい販売します。神奈川や埼玉、千葉などからもお客様がいらっしゃいますが、バッテリーの性能も上がっているので、そのまま乗って帰られるかたも多いですね」(店長・小峰市太郎さん)
最近では購入時に補助金が出る市区町村も多く(東京・文京区は1台につき最大1万5000円、鹿児島市は上限2万円など)、観光地のレンタサイクルに電動アシスト自転車を導入しているところも増えている。
※女性セブン2012年7月26日号