「毎日、お風呂とトイレ以外は韓流時代劇を観てしまう。もう止めたいのに次の話が気になって止められない」
「食事が店屋ものばっかりに!」
「ドラマに入り込みすぎて日常が味気なくなった」
などなど、韓国ドラマ、特に韓流時代劇に熱狂する人々のハマり方はちょっと普通ではない。このようなファンを、韓国では“ドラマ廃人(ペイン)”と呼ぶ。
話題のコミックエッセイ『韓流時代劇にハマりまして』(小学館刊)の著者である漫画家の西家ヒバリ氏に、そんな韓流時代劇にハマるツボを教えてもらった。
「韓流時代劇のよさは、家族を大事にすること、そして濃厚なラブシーンがないことですね」(西家さん)
韓国は、他国に攻められてきた歴史のためか自分の周りの人々、特に家族の結束が非常に強い。また、儒教の国だけあって、ラブシーンはとてもマイルドだ。
「うちは子どもと一緒に観る機会が多いので、安心して観られるのは大事なポイント。役者さんの演技もすごくうまくて、眉毛の動きひとつで表現してしまったり、さっきまで優しい顔をしていた人がコロッと悪人の表情になったり、涙をボロボロこぼしたり…感心しちゃいます。子どもと一緒にドラマを見ながら、『韓国俳優事典』でどの俳優か探すのも楽しみのひとつになっています。ただ、本当に毎日寝不足で仕事が手につかなくなって大変ですよ! でも、それがあったからこの本ができたわけで、そういう意味ではよかったですけどね」(前出・西家さん)
韓流時代劇は史実に基づいたフィクションなので、登場人物の王様や、例えば『宮廷女官チャングムの誓い』のチャングムも実際に存在していたということなどを後々知ると、さらに感動するという。さらに当時の医療技術や身分制度、政治闘争などちょっとした歴史の勉強にもなる。
また、これまで女性が観るものと思われていた韓国ドラマだが、韓流時代劇の普及で男性ファンも激増している。TSUTAYAによると、『朱蒙(チュモン)』では男性のレンタル比率が44.7%、『テジョヨン』では52.9%とのこと。
「うちの旦那(漫画家のしりあがり寿氏)も、最初は“韓流ドラマなんて”とブチブチいっていましたが、『イ・サン』で陥落(笑)。“次はいつ観るの~?”ってそわそわしていましたよ」(前出・西家さん)