60才で定年を迎えたあと、年金だけではやっていけないという人も少なくない。だからこそR60も働く場を見つけていくべきだというのは、『「58歳から65歳」こそ使えるハローワーク徹底活用術!』(朝日新聞出版)の著者、日向咲嗣さんだ。
ハローワークに通うメリットは、民間の求人広告ではカバーしきれない情報量と職員に相談できること。
「一見すると時給の面でよくないと思ったところでも、働きやすい環境であることなど、その人に応じて教えてくれるのがハローワークの職員です。さらに資格がなくても、“この人にはこんな経験がある”と求人先との懸け橋になってくれることも。また、職員に相談することで、ひとりよがりになりがちな就職活動に新たな展望が開けることもあります」(日向さん・以下同)
未経験や長いブランクがある人でも採用されやすいのが訪問介護の分野だ。
「条件がありますが、公共職業訓練の介護コースに3か月通えば、無料でヘルパー2級の資格がとれます。訪問介護の事業所の中には50代、60代の女性を主戦力として考えているところや、65才未経験でもよいという所もありますよ」
ハローワークを利用する際には、いくつか気をつけたい点が。
まず受け身ではダメということ。自分がしたいことをはっきりさせ、迅速に行動することが求められる。
「ありがちなパターンとしてはひとつの企業に応募し、書類選考が通るまで待ってしまうこと。そこで落ちたら、時間のロスになります。それよりも複数の企業に履歴書を送り、内定をいくつかもらってから適した仕事を自分で選ぶほうが効率的です」
さらにハローワークを訪れるタイミングも大切。週中日の雨の日の午前中などは待ち時間が少なくて済み、穴場だ。
企業側は意欲のある人材を求めているので、ハローワークに通うときも明るく、元気よくを心がける。
「就職活動の記録をノートに残すことは自分の中でも整理される上に、それを見せることで意欲のアピールにもなるので、“この人のためにいい職を見つけよう”という職員のモチベーションにつながります」
さらにハローワークは3つ以上訪れてみるといい。
「都市部のほうが込んでいても対応が丁寧な傾向があるなど、相性のいいハローワークを見つけるためにも時間があるなら複数訪れてみましょう」
※女性セブン2012年7月26日号