FX投資のための、パソコン向けやスマホ向けのさまざまな取引ソフトが開発され、個人投資家でも、プロに近いトレード環境を利用できるようになり、FX中毒者まで生み出している。では、FXは本当に儲かるのか。
個人投資家としてネット上で有名なハンドルネーム「よず」氏は、この欧州債務危機の発端になったギリシャ・ショックが起こった時、1日で700万円の損失を被ったものの、その後、ユーロを売るなどして、その損失をわずか1日で取り戻した。
それだけではなく、950万円もの利益となり、1日のトレードで最高の儲けを叩き出したという。
ただし、“中毒者”が勝てる人ばかりとは限らない。むしろ、「9割の投資家が市場から退場する」と言われる為替市場の中で、負けるのは当たり前だ。40代のサラリーマントレーダー氏は、負けても負けても、やめられないという。
給料やボーナスはすべて注ぎ込み、「今まで溶かした(失った)金額は、都内の小さな一戸建てを買えるくらい」。一番大きかった損失は、東日本大震災直後の急激な円高で被った約400万円の負けで、胃に穴が開いたという。
美人トレーダーとして知られるFX歴3年の「のりたんく」さんは、ギリシャ・ショックが起こった時、1日で1000万円の損失を被った。ただ、今はその時の反省を踏まえ、持ちっぱなしのスタイルから、短期のトレードに切り替えたという。「多い時には1日で50回くらいはトレードをする」そうだ。
※SAPIO2012年7月18日号