消費増税や復興増税の実施で国民に大きな負担が押しつけられようとしている一方で、国家公務員は民間の2倍にもあたる808万円もの年収を得ている。こうした官民格差は退職後も大きい。
エリート官僚となれば、事務次官で退職金は約7500万円、局長でも約6000万円にのぼる。そのうえ独立行政法人や公益法人への天下りを繰り返し、そのつど退職金を受け取る「渡り」が横行し、彼らは8億~10億円ともいわれる生涯賃金を稼ぐのだ。
高級官僚のみならず、天下りはノンキャリアにも用意されている。旧社会保険庁なら日本年金機構の相談員、労働局職員はハローワークなど、古巣での非常勤職員のクチがある。
65歳まで雇用され、給料は年金相談員の場合、月額28万円ほどとされる。退職金をたっぷり手にしたうえ、民間ではなかなかうまくいかない再雇用もたやすいのだから、年金受給が始まる65歳までの生活も安泰だ。
※週刊ポスト2012年7月20・27日号