先ごろ皇室医務主管を退官した金澤一郎氏の発言が大きな波紋を呼んでいる。金澤氏は6月1日付けで退官、現在は宮内庁・侍従職御用掛を務めている。7月10日発売の『文藝春秋』8月号で、これまで語られなかった皇族方のご体調や病状、さらには内情について初めて口を開いたのだ。この記事で金澤氏は、雅子さまの治療経過について、次のように言及している。
<大野先生に来ていただいたところまでは良かったのですが、少なくとも私が意図した方向で治療システムが構築されたとは、残念ながら思ってはおりません。その点に関しては、私は皇室医務主管として残念ながら失格だったと思っています>(『文藝春秋』より)
大野先生とは、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター長の大野裕氏(精神科医)のことだ。現在も雅子さまの適応障害の治療にあたる主治医を務める人物である。
金澤氏は、この大野氏による治療システムが雅子さまにとって効果を得るものではなく、“失敗だった”と明言し、さらに“その責任は自分にあった”とまで語っているのだ。
ここ数年、大野氏に対する批判の声が高まっているのも事実だ。
「それは“主治医である大野先生を、もう変えたほうがいいのでは?”、“治療法に問題があるのでは?”といった声です。つまり、“9年という長い年月が経つのに、ご病状が好転しないのは、その責任の一端が主治医にもあるのではないか”というのです」(宮内庁関係者)
そして、2009年12月、雅子さまの誕生日に発表されるはずだった「東宮職医師団の見解」の発表が、何度も延期されるということがあった。ようやく公にされたのは、約2か月も過ぎてからのことだった。ここまで延びたのは、発表の内容をめぐって、雅子さまと大野氏の見解があまりにも食い違っていたからだといわれている。
「雅子さまの主治医を務めて既に5年余りが経過し、大野氏としては、そろそろ具体的な治療内容や服用している薬など、例年と比べて一歩踏み込んだ見解を発表したいと思ったようです。それは“そろそろ具体的な内容を明らかにしないと国民の理解を得られない”という雅子さまを思う気持ちからでした。しかし、雅子さまはプライベートな部分が公になるのを避けたいと思われたようで、例年と同様の範囲での発表を望まれたといいます」(前出・宮内庁関係者)
結局、大野氏は何度も雅子さまを説得しようとしたが、精神科医という立場上、患者である雅子さまの意向を汲んで、具体的な治療法などには言及せず、例年と同様の発表をすることになった。このとき、金澤氏は大野氏に対し、国民にご病状を具体的に説明したほうがいいのではと助言したという。
<例えば、どういう時に頭痛がするのか、どのように腹痛を感じるのか、発熱が何度なのか。そういうことで良いからと。でもそれさえ発表できないんですね>(『文藝春秋』より)
一度、雅子さまと大野氏の間に生じた溝は、そう簡単には修復されることはなかった。
「雅子さまはそれ以降、大野氏の治療を受けられなくなってしまったんです。最近ではときおり電話でご体調の確認をする程度で、おふたりの関係はぎくしゃくしたまま。雅子さまが良くなられないのも当然のことですよ」(前出・宮内庁関係者)
※女性セブン2012年7月26日号