7月16日、中日ドラゴンズ前監督の落合博満氏(58)が、横浜市の神奈川県民ホールで講演会を行なった。3階席まで収容人数約2500人の会場は、ほぼ満員の聴衆で埋め尽くされた。監督退任後、さほどテレビに出ているわけではないにもかかわらず、相変わらずの人気ぶりを見せつけた。
会場が横浜スタジアムから徒歩3分圏内で、横浜ファンも多数来場ということもあり、今年も最下位を独走する横浜DeNAの話題も頻繁に飛び出した。期待の若手・国吉佑樹が先発したものの、1対7で惨敗した前日15日の広島戦を振り返り、『オレならこうする』とオレ流采配についても述べた。
「昨日の試合はオレだったら、国吉を9回まで行かすかな。オールスターもあるし、長く休める。だったら、150球投げさせても、どうってことない」
この試合、1対3とDeNAがリードを許した5回裏、チャンスの場面で中畑清監督は国吉に代打を送らず、そのまま凡退。国吉は続く6回に1失点、7回には3失点、123球を投げたところで、降板した。
継投全盛時代のプロ野球において、普通であれば「なぜ代打を出さなかった」と批判を浴びることはあっても、完全な負け試合において「なぜ完投させなかったか」と疑問を呈するのは落合氏くらいのものか。ただし、監督経験者だけに、こうフォローすることも忘れなかった。
「ただ、これは第三者だからいえること。解説者の責任逃れの言いかた。ベンチにはベンチにしかわからない事情がある」
単なる采配批判では終わらないところが、やはり落合流なのだろう。