7月頭の時点で早くも自力Vが消滅、5位に転落した阪神。あるOBが「かつてのダメ虎に戻りつつある」とため息をつけば、熱狂的虎ファンは「巨人戦で巨人をボロクソに野次ろうにも、こっちの成績がコレでは……」と肩を落とす。失速の原因を探ると、複雑なベンチ裏の人間模様が見えてきた――。
ダメ虎回帰の象徴は、今ひとつ精彩を欠くマートンであろう。かつては練習熱心な優等生といわれていた助っ人はいま、人が変わったように荒れているという。
件の舌禍事件(※注)以来、マスコミ不信が頂点に達している。本塁打を打っても、報道陣には「ゴメンナサイ、オーキニ」としかいわない。マートンコールが起きてもお立ち台を拒否する始末だ。
凡退すると、バットやヘルメットを投げつけて悪態をつく。理由は今年から広がったストライクゾーンにあるようで、審判に食ってかかるシーンも少なくない。
「最近はところ構わずツバは吐くわ、ベンチのサインにぶち切れて、試合中にもかかわらずクラブハウスに引き上げてしまう職場放棄事件(6月23日)は起こすわで、問題児ですよ」(在阪スポーツ紙デスク)
※注/6月9日のオリックス戦で、右翼・マートンからの本塁送球が逸れて走者が生還し敗戦。試合後に「(先発の)能見が嫌いだから相手に点をやった」と発言したとされる騒動。
※週刊ポスト2012年8月3日号