日本の議員の給与は国会議員、地方議員含め世界的にも高額といわれるが、河村たかし・名古屋市長は2750万円だった市長の給料を800万円に減額、退職金もゼロにした。その真意とは何か、河村氏に聞いた。
* * *
民主党議員の多くはマニフェストと正反対の増税法案に賛成し、今や民自公の増税大連立の動きまである。なぜそうなるかというと、議員が高給をもらって、政策や公約より議員の身分と生活を守ることを優先するからです。
執行部に逆らえば公認されずに落選するのが怖いから増税の党議拘束に縛られてしまう。その結果、国民無視の政策が行なわれ、選挙が近づけば、このままでは有権者の批判を浴びるから、目先を変えるために政界再編が起きる。政治家が稼業になっているのが政治を悪くしている元凶だ。
わしもよー、本当は若干イヤだったんじゃが、名古屋市長選に立候補した際に、『年収800万円でやる』と演説したから後に引けなくなった。名古屋市長はそれまでは年収2750万円で、さらに1期で退職金が4220万円もついていた。市長4年やれば収入1億5000万円だから1億円くらい貯金できる。
うちのオカンは『退職金までいらないとは絶対いったらアカンよ!』っていったんだけど、弾みがついて、退職金もゼロにしちゃった。オカンは怒るわ、家には入れてもらえんわで困ったよ(笑い)。でも、名古屋市議の給料も半分にした。
政治家が税金でメシが食える国は日本だけ。給料のうまみがなくなれば、稼業政治家はいなくなる
●聞き手/福場ひとみ(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2012年8月3日号