『メルマガNEWSポストセブン』では、『ウェブはバカと暇人のもの』の著者としても知られるネット編集者の中川淳一郎氏が、その週にネットで話題になったニュースのツボを解説している。7月20日配信の24号でも、
「大津いじめ事件、コラも続々登場」
「ネットの炎上防止システムが出たので、とりあえず2012年上半期・名炎上を紹介しましょう!」
など、その週にネット上で起きた様々な事件を紹介しているこのコーナー。なかでも今週「もっともネット的」とでもいうべきネタが、「ネット募金、今度は『阿蘇支援』です! 胡散臭いと評判」という事件だ。
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いやはや、お金は怖いですなぁ、というお話を最近よくネット上で目にするようになりました。というのも、津田大介さんが「今年は募金ブームが来る」と自著で予言したのがドンピシャで当たり、今年5月には学資を募る「studygift」が登場しましたね。でも、この企画は資金援助をお願いしていた学生が実は退学していたことなどが明らかになり、頓挫してしまいました。
先週は、生活保護制度の改正をするにあたり、個人を叩く必要はない! と訴えた毎日新聞の全面広告が登場しましたが、これもネットでの募金によって実現したものです。
で、今回は九州の豪雨に対して支援を呼びかける声がツイッターで上がりました。ハッシュタグ「#阿蘇支援」を使い、とあるツイッターユーザーがこう呼びかけたのです。
“【緊急拡散お願い】7月31日までカンパ金を募っています。全額を阿蘇市や南阿蘇村の避難者への食料支援に。「熊本ファミリー銀行 阿蘇支店 普通口座 ××××× アソニシノウサンブツチヨクバイシヨウンエイカンリクミアイ #阿蘇支援”(×は編集部)
で、このカンパが「胡散臭い」と評判なんですよ…。この募金を呼びかけている人が本名を明かしていなかったり、収支報告をしなかったり、質問したらブロックしたり…と、ツイッター上では呼びかけた人のことを詐欺扱いする人が続出しています。
詐欺かどうかは現状判断できませんが、まぁ、怪しいと思ったら募金しないのが吉でしょう。で、冒頭に「お金は怖い」と書きましたが、何が怖いかって、1円でも募金をした場合、その人は、募金を呼びかける人に「何を要求してもいい」という空気になるのですね。
クレームをつけたり、要求をつきつける権利が1円寄付しただけでも生まれますので、募金をネットで呼びかける方はその辺の面倒くささも考慮してチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
※参考ページ
#阿蘇支援 タグで支援金を募る方々『Togetter』