大阪・泉佐野市が導入をブチ上げた「飼い犬税」が波紋を広げている。要は、散歩中に糞をするなど、処理にカネがかかるからその分は払ってください、ということだ。「やりすぎだ」という声が上がる一方、「よくぞ言ってくれた」と喝采を博す意見もある。
犬のフン害は全国自治体のどこも頭を悩ませている問題だ。その中で、泉佐野市がいち早く声を上げたのはなぜか。同市の国賀祥司市議はこう指摘する。
「関空の開設に伴って進めたインフラ整備事業で赤字が膨らみ、市の財政は破綻寸前。市長はカネのためなら、何でもやるつもりなのでしょう」
泉佐野市は、関空開港に合わせた「りんくうタウン」や、大規模宅地造成などインフラ整備事業が財政を逼迫し、2009年には財政破綻寸前とされる「早期健全化団体」にまで“転落”した。
2010年度決算の「借金」に当たる地方債残高は、約827億円に上る。
このため、市は財政再建に乗り出した。その一環として、市長が今年3月、市の命名権(ネーミングライツ)を企業に売る提案を発表したことは記憶に新しいところだ。
「先日は議会に、市役所の駐車場をコンビニに貸して金儲けする案を提案してきました。皆、次は“猫税”か“トリ税”かと戦々恐々としています」(前出・国賀氏)
※週刊ポスト2012年8月3日号