7月頭の時点で早くも自力Vが消滅、5位に転落した阪神。かつてのダメ虎に逆戻りしてしまった原因を探ると、複雑なベンチ裏の人間模様が見えてきた――。
チーム内で火薬庫になっているのが、平野恵一である。
ジリ貧のチームにあって、チームメート批判を連発。優等生から問題児になっているマートンへ「送球が悪い」と文句をいった前日には、送球を遊撃手の鳥谷敬が捕れず、自分に悪送球がついたことに立腹し、こうぶちまけた。
「きちっと投げたつもりだけど。こちらも生活がかかっているので、ちゃんと見てほしい」
“オレは悪くない。鳥谷と記録員が悪い”と言いたい放題なのだ。こんな平野に、チームの目は冷たい。
「平野は5月に国内FA権を獲得し、“夢みたいだ”と大喜びしていた。移籍先は、セカンドの固定されない巨人ではないかといわれている。平野にとって東海大の先輩にあたる原監督がいるから……」(球団関係者)
7月7日の巨人戦では、象徴的な出来事があった。試合前、平野が原監督のもとへ挨拶に行った際、親しそうに談笑して、原監督と“グー・タッチ”していたのが目撃されている。
※週刊ポスト2012年8月3日号