京都の祇園祭、青森のねぶた祭、徳島の阿波踊り…そんな全国的に知られる祭りばかりが、祭りじゃない。イラストレーター・みうらじゅん氏は、各地で脈々と続く、知られざる祭りを“とんまつり(=とんまな祭り)”と名づけ、著書『とんまつりJAPAN』(集英社)を出版している。
そんな、とんまつりのひとつが、和歌山県・日高川町の『笑い祭り』だ。
同祭は、毎年「体育の日」直前の日曜日(今年は10月7日の開催)、丹生(にう)神社にて開催される。
白塗りの丸顔に、赤字で「笑」の文字と鳥居のマーク、赤い頭巾に黄色や青のカラフルな衣装を着た名物男『鈴振りさん』が、「笑え~笑え~、永(家)楽じゃ、世は楽じゃ~」と御輿や旗振りらを先導する。
神代の昔、出雲の神様の集まりに寝坊をしてふさぎ込んでしまった丹生都姫を心配した村人たちが「笑え、笑え」と元気づけたことが起源だ。ちなみに写真は『初詣初笑い神事』のときのもの。10月の本祭が全国区になり、観光客も参加しやすいようにとイベント化している。
写真■日高川町役場まちみらい課提供
※週刊ポスト2012年8月3日号