疲れやすい、朝起きられない、イライラする…。そんな症状の原因は、もしかしたら貧血かもしれない。貧血は、“貧血だ”と気づきにくいという厄介な病気なのだ。たとえば、こんなケースもある。
「血液検査の結果を見てお医者さまに“よくここまで歩いて来られましたね? ひどい貧血状態です”といわれビックリ! 処方薬で治療したらすぐに回復し、『あの猛烈なだるさは貧血だったんだ』と初めてわかったんです。痛みと違ってだるさは、忙しいとストレスのせいにしがちだし、もう年だからこの程度のだるさは当たり前だろうと、諦めていたんです」(東京都・自営業 38才)
「献血しようとしたら、血液成分の数値が足りないと断られ、初めて自分が貧血だと知りました。更年期のせいだと思い込んでいた疲れやうつうつとした気分も、貧血のせいだったかも。友人に勧められて市販薬を試したら、疲れがすっきり取れて気分も前向きになりました」(神奈川県・主婦 49才)
さらに、血液検査の数値には出ないけれど、症状が表れている“かくれ貧血”も存在しているという。成城松村クリニック院長・婦人科医の松村圭子さんは、こう説明する。
「貧血とは、血液中のヘモグロビンが不足することで全身に運ばれるべき酸素が欠乏する病気。中でもいちばん多いのが、ヘモグロビンの材料となる鉄が不足することで起きる鉄欠乏性貧血です。女性は月経で毎月、血液が失われるため貧血になりやすいのですが、ダイエットや不規則な食生活で鉄分が充分に摂取されないことも要因です」
とにかく、貧血を予防するには鉄分を摂取する必要があるのだが、鉄には、動物性の食品に多く含まれるヘム鉄と野菜や豆類に含まれる非ヘム鉄があり、ヘム鉄の吸収率は10~20%、さらに非ヘム鉄では1~5%と少ない。少しでも吸収率をアップするためにも、果物や緑黄色野菜に多いビタミンCと一緒に摂ることがおすすめだ。
また、あさりやしじみをはじめとする魚介類、肉類全般に多いビタミンB12、ほうれん草などに多い葉酸を一緒に摂取すると造血効果が。鉄分の多い食品を意識しながらも、動物性、植物性ともにバランスよく摂ることが大切だ。
※女性セブン2012年8月9日号