世の中の熟女ブームとAV業界における美熟女ブームはリンクしている点が少なくない。6000本の作品に出演した業界屈指のベテラン男優・田淵正浩氏と、AV業界に熟女ブームを生みだすきっかけを作った溜池ゴロー監督が語りあった。
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溜池:田淵君はキャリア何年だっけ?
田淵:今年で22年目になります。溜池監督と初めてお仕事させてもらったのは、1997年じゃなかったかなあ。
溜池:もうそんな昔になるのか。田淵君は、美熟女AV女優さんから、ぜひ共演したいというご指名が多いし、僕の作品にもたくさん出演してもらっています。
田淵:溜池監督の現場は、本当にきれいな女優さんばかりなので僕も幸せです。監督が美熟女AV路線を定着させるまで、このジャンルはけっこうキツい女優さんが多かった。還暦すぎた女優さんがベッドで待っていたこともありました。
溜池:田淵君はそれでも立派に勃起させる。AV男優の鑑ですよ。
田淵:美熟女の魅力は、やっぱり大人でないと醸せない色気っていうのがあります。熟れきったおっぱいやヒップのラインから滲むエッチさは美熟女ならではのものです。
溜池:ある程度の年齢になって、セックスの経験値が上がらないと色気は出ないんだよね。
田淵:ある女優さんなんですけど、若かった頃は反応が悪くて、男優と絡んでもマグロ状態でひどいものでした。でも結婚相手が某AV監督で、彼が毎晩せっせとセックスに励んだら、どんどん開発されていったそうです。
溜池:その後、彼女は最高にエッチなベッドシーンを演じていましたね。
田淵:熟女は等身大の自分をさらけ出してくれるし、大人目線というのかな、撮影現場の雰囲気や監督から要求されているものをちゃんと理解しています。その点、若い女優さんは自分しか見てない人が多いような気がします。
溜池:肉体は成熟しているのに、心が若い頃のままで大人になっていないのは困る。だから僕は撮影前に、必ず女優さんを面接して、そういう点を厳しくチェックします。
田淵:熟女かどうかというのは、年齢じゃなく心の問題ですよね。
溜池:たまに若い女優さんでも、大人の女の色気を身につけている人がいます。及川奈央ちゃんや早坂ひとみちゃんなんかは、20歳そこそこで、熟女の寛容なハートを備えていました。いわば彼女たちは“最年少美熟女”です。
田淵:監督が美熟女ジャンルを開拓し定着されてからは、ルックスも大事になりました。
溜池:美しい熟女が当たり前になったので、僕のメーカー「溜池ゴロー」の作品は、美熟女AVというより、もはや“美女AV”といってもいいような気がする。
●たぶち・まさひろ:1967年生まれ。1990年1月にAV男優としてデビューし、現在までに6000本を超える作品に出演している。デビュー時の芸名は「ピッチャー小林」だった。1992年には実相寺昭雄監督の映画『屋根裏の散歩者』(三上博史主演)に出演している。早漏改善のメソッドについても詳しい
●ためいけ・ごろー:1964年生まれ。明治大学卒業後、テレビドラマや映画の助監督を経て、1994年にAV監督デビュー。1999年に後の妻となる川奈まり子主演の『義母 まり子34歳』を発表し、美熟女ブームを巻き起こした。2006年に美熟女専門レーベル「溜池ゴロー」を設立。著書に『SEX会話力』(小学館101新書)、『モテの技術』(アスペクト)
※週刊ポスト2012年8月3日号