『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子など、様々な分野の論客が『今週のオピニオン』と題して、毎号書き下ろしの時事批評を寄稿する。7月27日に配信された25号では、櫻井よしこ氏が登場。野田首相が購入計画を発表し、益々その行方が注目される尖閣諸島について熱く語る。
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いま、尖閣諸島を巡って日本の覚悟が問われている。7月7日、野田佳彦首相が東京都に代わって日本政府が島々を購入する意思を明らかにすると、 中国農業省が12日、「中国の領土である尖閣諸島周辺海域を、不定期ながら巡視する」と発表した。事実、中国は7月11日と12日の2日間、続けて、「漁政」3隻を派遣し、尖閣周辺の日本の領海を侵犯した。
一方、人民日報は、「国と国との関係は子供の遊びではない」と書いて「(日本の挑発が)度を越せば、釣魚島(尖閣諸島)問題を制御できなくなる危険性がある」(産経新聞、7月14日)と強調し、武力行使も辞さないことを示唆した。
尖閣諸島を巡って起き得るあらゆることを想定して、私たちは国として、その個々のケースにどのように、どこまで対処するかを考えておかなければならない。緊急事態はいつでも発生し得るのである。
尖閣問題は、戦後ずっと日米安保体制の下で守られてきた日本が、初めて、領土問題を巡って中国との深刻な衝突に直面する事案となりつつある。この危機にどのように対処するかは、日本のいわゆる戦後問題を、日本自身が解決できるか否かを占う第一の関門でもある。
自国の領土は自国の意思と力で守りきるという、普通の国々が当然のこととして堅持している祖国防衛の基本を日本も打ち立てることが出来るか。その覚悟を固め、シミュレーションを行ない、備えることが出来るかが、問われている。日本は戦後ずっと米国に国防を頼ってきた。日米同盟は非常に大事ではあるが、米国に守ってもらうという他力本願志向から脱することができるかと厳しく問うているのが尖閣問題である。