前半戦を終えて、セ・リーグ打率3位につけるなど見事に復活を果たしている中村紀洋(39・横浜DeNA)。昨シーズンは、所属球団なしという半年間の浪人生活を経て、5月に横浜に入団。だが、ブランクが響いたのか、出場62試合で打率.209、本塁打1本という低調な成績に終わっていた。
「そのときは、完全に終わったと思われていたし、今年の開幕前もほとんど期待されていなかった。ノリを使うなら、若手を起用したほうがいいといわれていたくらい」(野球担当記者)
だが、筒香やラミレスのケガもあり、開幕を『4番・サード』で迎えると、好調をキープ。中畑清監督就任後、初めて巨人に勝った試合でもサヨナラアーチを放つなど、ここ一番の場面で活躍した。
前半戦の得点圏打率.352は、リーグトップ。全盛期並に勝負強さも戻ってきた。ファン投票で選出された、オールスター第1戦では斎藤佑樹から逆転2ランを放ち、MVPを獲得。絵に描いたような復活劇に、ファンも脱帽している。
だが、ある記者は、中村のある行動を危惧している。
「ノリが真摯に野球に取り組むと、素晴らしい結果を残します。それが、FA宣言する前の近鉄時代であり、落合監督に拾われた中日時代です。ですが、いったん鼻が高くなってしまうと、活躍できなくなってしまう。“良いノリさん”と“悪いノリさん”が存在します。
ただ、今シーズンは、その“良いノリさん”が出ているのですが、最近気になることがあるんです。シーズン序盤は、守備位置につく際の1回から9回まで、毎回必ず一礼をして、ラインを跨いでいた。それが、最近は回ごとの礼をしなくなったんです。礼をすることとプレーの質が比例するわけではありませんが、なぜしなくなったのか、気になりますね」
守備位置につくたびに礼をする選手自体が珍しいとはいえ、序盤のノリには謙虚さがあったこともまた事実。“悪いノリさん”が顔を出しつつある兆候でないことを願いたい。