夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(51歳)が製薬会社勤務の奥様(47歳)。ご主人は毎夏、水虫に悩んでいるそうです。
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「この夏は石田純一を見習い、靴下を履かない。靴の中を少しでもクールにするんだ」と主人。「でも、靴下を履かずに出勤って変よ」と指摘すると、「外から見て履いているように見えればいいだろ?」と、靴下の足の部分を切り取り、足首の部分だけ残しました。確かに、靴を履くと靴下も履いているように見えます。それからというもの、「快適だよ!」と、毎日ご機嫌で帰宅する主人。水虫も大丈夫なようです。
ところが、週末、会社帰りの主人と待ち合わせて食事に行こうとした時のこと。「よっ、お揃いでデートかな?」と声をかけてきたのは主人の上司で、私たちの仲人でもある常務です。「私は今、足つぼマッサージに凝っていて、これから寄るところなんだよ。すぐ近くだからキミたちもやってもらったほうがいいよ」上司のいうことだから逆らえません。
「さぁ、キミからやってもらいなさい」
「あのー、常務、トイレで靴下を脱いできますんで」
「大丈夫。初心者は靴下を履いたままのほうが、痛くなくていいんだ」
渋々、靴を脱ぐ主人。現われたのは足首だけに巻かれた靴下です。「キ、キミはそんな格好で会社に来てるのか!」「す、すみません!」米つきバッタのように頭を下げる主人。妻として助けてあげたいけど、どうにもなりません。靴下だけに、あし(足)からず!
※週刊ポスト2012年8月3日号