ホルモンバランスの変化や出産を経て痔になる女性は多い。痔はみんな悩んでいるけど、恥ずかしくてなかなか人にいえないもの。痔になってしまった場合、どんな治療法があるのだろうか?
日本橋レディースクリニック院長の野澤真木子先生はこう解説する。
「便のかたい人は裂肛(切れ痔)になりやすいのですが、一方、下痢も裂肛の原因となります。またダイエットや便秘などで下剤を飲んで、長期間下痢が続いていると肛門が狭くなる原因ともなります」
理想の便とは“チューブの歯みがき”状の軟らかさだという。
「治療しても便の状態が悪いとまた同様の症状が出てきます。まずは食生活の改善から。お水と食物繊維をしっかり摂り、アルコールは控えましょう。また入浴も有効です。温かいお湯にはいると緊張がほぐれて、血行が改善され痔の症状が和らぎます」(野沢さん・以下同)
痔核(いぼ痔)になっていると、便が残っているように感じて、いきみ続けるとさらに悪化する。トイレは2~3分で済ませて、一旦出る。また便意をもよおしたらトイレに行くようにしたい。
「痔の人のなかには便器が赤くなるほどの出血が毎日続き、輸血しなければならないほどの貧血になっている人もいます。痔のために、気持ちが沈んでやる気が起こらず、家事がはかどらない、外出しづらいなど、生活の質が落ちていることもあります」
何年も悩んだ後に診察を受ける女性も多いが、野澤さんは早めの受診を勧める。
「お尻の異常を感じたら受診がいちばんですが、その時間のない人や恥ずかしくて勇気の出ない人もいらっしゃると思います。市販薬を1週間使用しても改善がみられない場合には、必ず受診しましょう」
※女性セブン2012年8月9日号