『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子など、様々な分野の論客が『今週のオピニオン』と題して、毎号書き下ろしの時事批評を寄稿する。7月27日に配信された25号では、櫻井よしこ氏が登場。俄然注目が集まる尖閣諸島問題に関し、「中国はこんなことをしてくる」と警鐘を鳴らす。
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南シナ海でフィリピンやベトナムから島々を奪った事例で見れば、最初に上陸した中国人の男たちは明らかに軍人である。上陸するや、中国の国旗を立て、時を置かずして資材を運びこみ、あれよあれよという間に建築物を完成させた。いまでは強固な建物と共に滑走路まで備えている。明らかに軍用施設だが、中国政府は、これらはすべて漁民のための避難施設だという。こうしていま中国は南シナ海に三沙市という新しい行政区を創り上げ、中国の一部とする行政組織も完成させてしまった。
南シナ海で起きたことをわが国周辺の海、東シナ海、尖閣諸島周辺で繰り返させてはならないのである。まず島に中国人が上陸した段階で、日本側は即、彼らを拘留しなければならないが、これまでの事例と較べて状況は格段に困難となろう。
尖閣諸島に7人の中国人が上陸した2004年には、中国政府は手出しをしなかった。だが、これからは軍事的手段も排除せず、断固たる姿勢で乗り出してくるだろう。一旦、彼らの上陸を許してしまえば問題は複雑にならざるを得ない。中国政府も黙って引き下がりはしない。日本は断じて譲れない。だからこそ、大事なのは中国人の上陸を許さない堅い守りの体勢を作ることだ。
早急に海保の巡視船をふやし、人員をふやすことである。海保に取調べその他の法的権限も与えなければならない。海保に加えて、気象庁の職員も環境省の職員も上陸して各々の仕事をする必要がある。島に日本人が常駐することが大事なのである。
そのうえで最も重要なことは、覚悟をもつことだ。中国が譲らない場合、戦う覚悟でこの事態に向き合うことでしか、問題は解決できないと認識しなければならない。