「彼女の口から出てくるのは、とにかく金、金なんです!」
そう声を荒らげるのは、今年5月31日、肝臓がんのために亡くなった尾崎紀世彦さん(享年69)の実弟・征彦さん(67才)だ。尾崎さんには生前、ふたりの妻がいたが、征彦さんが憤っている相手は、2番目の妻・Bさん(60才)だ。征彦さんによれば、尾崎さんを失い、悲しみにくれていた親族に対して、彼女が口にした言葉は、怒りを覚えざるを得ない内容だったという。
尾崎さんは、1973年に当時ハワイ在住のアメリカ国籍のAさん(59才)と結婚、長女(38才)と長男(35才)をもうけるも、7年後にAさんは子供たちを連れてハワイへと帰ってしまう。
それから11年後の1991年に離婚が成立すると同時に、尾崎さんはBさんと再婚。そして2年後には3人目の子供である長女(19才)が誕生した。しかし、2006年に3年に及ぶ裁判の末、離婚が成立。離婚にあたっての条件は、Bさんに対して700万円の慰謝料を支払うことと、長女が成人するまで、毎月10万円の養育費を支払うというものだった。
生前の尾崎さんを献身的に看病したのは離婚した最初の妻・Aさんと、そのふたりの子供たちだった。征彦さんがいう。
「キヨの病気が発覚したとき、Bさんにも連絡したんですが、お見舞いに来ることもなければ、電話の一本もありませんでした。5月にはいって“いよいよ危ない”と連絡すると、ようやく娘を連れてやってきました。離婚後、キヨがふたりと再会するのは、これが最初で最後となりました…」
尾崎さんが亡くなると、それまで彼とかかわることを拒んでいたBさんが猛烈に主張を始めたという。
「葬儀にも“第2夫人”としてAさんと並んで出席しました。そのときわかったんですが、彼女は離婚した後も“尾崎”姓を名乗っていたんですよ。あれほどキヨを恨んでいたのに、びっくりしました…」(前出・征彦さん)
そして遺産相続についても、口を出し始めたと征彦さんはいう。
「Bさんは、Aさんを通じて、“4年分の養育費が支払われていないから、その分の約500万円を遺産から支払ってほしい。そして、その養育費分を差し引いた遺産を3等分して娘に支払ってほしい”と要求してきたんです」
さらに征彦さんはこう話す。
「もちろんBさんの娘に遺産を渡さないなんてつもりはないんです。法的な相続分は渡すつもりです。ただ、キヨが死ぬまで知らんぷりだった彼女が、死んだ途端現れて“金、金、金”というのが感情的にどうも…」
またBさんは、征彦さんら親族に追い打ちをかけるような発言を繰り返しているという。
「キヨの遺産は微々たるもので、世田谷の35坪の自宅と預金1000万円ほどだけです。その自宅も建物はボロボロで価値がない状態で、土地も3000万円ほどの価値だと聞いています。つまり4000万円くらいしか遺産はないんです。なのにBさんは“土地建物には6000万円の価値があるし、他にも隠し財産の1億円があるはず”なんていうんです。まだ私たち遺族は、悲しみから抜け出していないというのに…」
Bさんを訪ねると、「弁護士を通してください」というものの、養育費に関しては、4年分ではなく、「法律に基づいて、いただいてない分の2年間分」を請求していると話した。さらに、遺産の要求については、「別に揉めてはいません。法律に基づいた金額にすればいいといっています」とし、尾崎さんの遺族とも関係がこじれているわけではないと話した。
※女性セブン2012年8月16日号