ロンドン五輪体操男子個人総合で金メダルを獲得した内村航平選手(23才)。内村が初めて大会に出場したのは小学1年生の時。市の小さな大会だったが、結果は最下位だった。その後も両親のもとで体操を続けたが、目立った戦績を残せてはいない。周子さんの弟で、内村の叔父・小川大洋さん(当時45才)は、2008年の本誌取材にこう証言していた。
「試合に負け、演技に失敗しても航平の両親はいつもスマイル。『よかと、よかと。いまの航平が、ちょっと敵わんかっただけたい』ってさばさばしたものでした」
この鷹揚な態度が、内村を変に卑屈にさせず、ひたすら自分の可能性を信じさせることに繋がったのだろう。内村の偏食ぶりも、あるいは両親のそんな鷹揚さが影響していたのかもしれない。
小学校時代の級友によると、「遠足のお弁当を航平が開けたら、好物のハンバーグとコロッケがぎっしり詰まってブラウン一色。野菜がまったくはいってないんです(笑い)」
別の級友も苦笑する。
「野菜嫌いで、給食のシューマイは、小っちゃなグリーンピースがのっかっているだけで食べられなかった。給食を食べ終えないと昼休みに遊ばせてもらえない。だから私たちが昼休みが終わって教室に戻ってきても、まだ嫌そうな顔をして食べてましたね」
諫早中学時代の担任は、内村のことをよく覚えている。
「身長は小さくて140cmくらいだったでしょうか。まじめな子でね。当時から体操がとても上手でした」
中学の同級生の間でも、内村は人気者だったようだ。
「いつもニコニコして、敵がいないタイプでした。サービス精神が豊富で、『大技を見せて』とリクエストしたら、木に両手で掴まって、そのまま足を宙に伸ばした状態を続ける“人間鯉のぼり”をやってくれた。そんなことができるなんて思ってもみなかったので、ビビりました」
※女性セブン2012年8月16日号