昨年の震災、原発事故をはじめ、消費税増税や、年金などの社会保障制度の問題…。将来を考えれば、不安なことばかり。節約して備えなければと思っている人が多数派だろう。その一方で、稼ぎは少なくてもお金を使い切る女性もいる。貯金ゼロの“貧困女子”が、節約や蓄えるということに背を向ける理由とは?
夫がペットショップを経営し、自身は週3回のパート勤務で月7万円ほどの収入があるという堀内敦子さん(仮名・46才)。なぜ彼女が、“貧困女子”なのか?
「夫の店が経営不振に陥ったことが大きいですね。昨年にはもう1店舗あったのですが、それも閉店してしまって…。夫の月収は40万円ぐらいありますが、これは店の維持費や動物のエサ代に消えていくため、ほとんど残りません」
ほがらかに笑う堀内さんに話を聞いたカフェは、有名人も多く暮らす都内の高級住宅地。自宅はすぐ近くだという。
「近くに夫のショップがあってウチの一部を倉庫代わりにしています。また、生き物を扱っているため夫は朝早くから夜遅くまで店に詰めて、食事はいったん家に戻ってくるため、家賃が約14万円と高いですがなかなか引っ越しができない状況なんです。私はもう少し安いところに引っ越したい気持ちもあるのですが…」(堀内さん・以下同)
最近では、毎日の生活費をおさえようと、スーパーのチラシを見ては、安い食材を探して買い物に出かけることもあるというが、どうしてもやめられないものがあるため、お金は一向に貯まらないという。
「節約しようという気持ちよりも、食べたいものへの欲求が勝ってしまうんです。もともと、節約なんてあまり本気で考えてないからでしょうね。私はワインが好きで、近所の店で3本3000円ぐらいのワインを一気に3セットぐらい買ってしまいます。大事に飲もうと思っているんですが、気づくと、もうないんです(笑い)。すぐに新しく別のワインをまとめて買ってしまいます」
我慢できないものは、まだある。
「1日20杯のコーヒーと旬のさくらんぼ。コーヒー豆は200gで700円するものを3日に1回は買っていますね。一応これもセールを狙って1kgぐらいをまとめ買いするんですが、ストックがたくさんあると思うとガバガバ飲んでしまって逆に高くついているのかもしれません。
ほかにも、“アメリカの佐藤錦”と呼ばれるレーニアチェリーという品種のさくらんぼがあるのですが、ひとつかみで1000円ぐらいするシロモノ。でも、これがおいしすぎて、6〜7月中旬の旬の時期はどうしてもやめられませんでした。3日にあげず買っていましたね」
※女性セブン2012年8月9日号