わかりやすい解説でお馴染みの流通ジャーナリスト・金子哲雄氏。同氏が格安航空普及による変化について語る。以下は、金子氏による女性セブン7月26日号の「格安航空のホントにお得? 本当に安全?」という格安航空について特集した記事についての解説だ。
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タイトルから明らかなように、この記事の背景には、今年ゴールデンウイークに起きた高速バス事故によって芽生えた格安への不安があります。
記事ではLCC(格安航空)の安さの理由と安さゆえの注意点を整理し、パイロットや機体の質はどうなのかといった内容が、そうした不安に答えていると考えられます。セブンがLCCの記事を組んだのは、LCCがビジネスマン向けではなく、セブン読者にフィットした商品だからですね。たとえば関西~新千歳がLCCならお盆シーズンでも往復で3 万円台。読者が夏休み旅行にかけられる予算は、帰省なら5万円、宿泊なら8万円ぐらいでしょうか?
LCCの普及で、これまで飛行機を使わなかった人が飛行機を利用するようになるので、旅行客や帰省客も増え、国内の人の流動性が高まります。人の流れはイコールお金の流れ。景気にとってもいいことです。特に地方都市にとっては、LCC就航が地域活性化のカギを握るでしょうね。
※女性セブン2012年8月16日号