東宮侍従とは、皇太子ご一家のお世話をする側近で、通常は3年ほどで交代するのが慣例である。だが、このたび退任した野本勲さん(72才)は11年7か月にわたって東宮家を支えてきた。
「雅子さまは野本さんに対して、それは厚い信頼を寄せられていました。療養中の雅子さまが一時復帰され、2007年に長野と徳島へ泊まりがけの地方公務をなさった際や、昨年の被災地ご訪問のときも、同行してお側で仕える野本さんの姿がありました。
また、愛子さまにとって野本さんは、生まれたときから自分のお世話をしてくれる“じいや”というべき存在で、野本さん自身も、愛子さまを孫のように感じていたと思います」(宮内庁関係者)
2010年3月、愛子さまの“いじめ”問題が起きてからは、野本さんは雅子さまとともに連日学習院初等科へと足を運び、愛子さまの登校を支えてきた。それは、昨年11月に雅子さまが付き添いを終えられてからも続いた。
では、なぜいまこのタイミングで退任したのか。野本さんに話を聞いた。
「宮さまがおひとりで行かれた白樺湖への校外学習(今年6月)が無事に終わり、また1学期をお元気に通われたことを嬉しく思っています。これからは離れたところから宮さまのお健やかなご成長を見守らせていただきたいと思います」
愛子さまの“いじめ”問題解決が退任のきっかけとなったようだ。
野本さんの後任には東京ガスから池田元一氏が就任する。
「民間から登用された人が、いきなり野本さんと同じ役割を果たすことは厳しい。ですから、2007年から東宮侍従を務める中村久之さんが、野本さんのポジションを務めることになるでしょう。しかし、彼は皇太子ご夫妻より年下ということもあって、野本さんのようにうまくサポートできるのかという不安の声もあります…」(前出・宮内庁関係者)
昨年7月、雅子さまに“野村のおじちゃま”と慕われた野村一成東宮大夫が退任。そして今回、野本さんと、雅子さまが本当に信頼しているふたりが立て続けに辞めたことで、宮内庁内部でも雅子さまが頼りとする人は「これで誰もいなくなった」という声があるという。
今回の件で、雅子さまのご病気回復に支障が出たりすることのないよう、一刻も早い皇太子ご一家のサポート態勢作りが望まれる。
※女性セブン2012年8月16日号