マイホームに次ぐ高額商品といわれる生命保険。年間払い込み保険料は世帯平均で約50万円。30歳から60歳まで払い続けたら、なんと1500万円。そんな高額にもかかわらず誤解されていることが少なくない。そのひとつがよく見かける「保険料はずっと変わらない」というものだ。
定期特約や定期保険には10年、15年などと保障期間が決まっていて、その期間を過ぎて加入し続ける場合、「更新」する必要がある。つまり、加入保険に新たな年齢で入り直すということだ。当然、年齢を重ねれば死亡や病気のリスクは高まるわけだから、同じ保障内容なら保険料は一気にハネ上がる。
例えば、40歳の人が「月々の保険料2万円なら払えるだろう」という考えで加入した商品の保険料が、50歳からは倍の4万円になるといったことが現実に起きるのである。
“更新日の○週間前までに申し出がない限り、自動更新する”という商品もあり、面倒だからといって放っておくと保険料を上げたい保険会社の思うツボだ。更新時は見直しのきっかけにもなるのでしっかりと検討すべきだろう。
では、〈保険料は生涯変わりません〉という宣伝文句の保険はお得なのか? 答えはノーだ。保険会社は加入者の平均余命を計算し、死亡時などに支払う保険金を分割して毎月保険料として徴集している。保険会社は絶対に損をしないシステムであり、保険料が変わろうが、変わるまいが、加入者が得をするものではないのだ。
※週刊ポスト2012年8月17・24日号