死亡や大病、家や自動車にかけるだけが保険ではない。日常生活に潜む小さなリスクや社会問題に対応する「ミニ保険」が加入者を増やしている。痒いところに手が届く、知られざる少額保険の世界を覗いてみよう。
近年の健康志向やエコブーム、震災による節電の影響で自転車を利用する人が増えている。朝の通勤ラッシュ時にはスーツ姿でペダルをこぐ「自転車通勤族」の姿が目立つようになり、アウトドアやスポーツでサイクリングを楽しむ人も多い。そこで加入者を伸ばしているのが自転車保険だ。
三井住友海上火災保険とセブン-イレブン・ジャパンは、昨年11月から「自転車向け保険」の販売を始めた。通勤や通学、趣味での利用を想定して、「お1人様プラン(4760円/年額保険料)」、「ご夫婦プラン(7000円)」、「ご家族プラン(1万1720円)」の33種類を揃えている。
事故を起こしたときに、死亡、後遺障害、入院などに保険金が支払われるほか、事故相手への賠償も最大1億円補償されるのが魅力だ。自転車事故の急増を背景に、高額な損害賠償請求が発生するケースも増えている。
「発売以来、通勤や趣味で自転車を利用する30~40代を中心に予想を上回る売れ行きです。全国のセブン-イレブンで簡単に加入できる手軽さも人気の理由。電動アシスト付き自転車の普及で、今後ますます加入者が増えると想定しています」(三井住友海上火災広報部)
※週刊ポスト2012年8月17・24日号