「日本人は保険好き」――よくいわれる話だが、最近はテレビCM等でも「がん保険」の必要性ががしきりと喧伝されている。だが、「がん保険」は本当に必要か。生命保険の宣伝の“数字マジック”に騙されてはならない。よくあるキャッチコピーは「2人に1人ががんになる」。たしかに一生涯で考えれば、男性の5割以上ががんと診断される。
しかし、50歳までに罹る確率は2%、60歳でも7%以下に過ぎず、80歳でも37%以下。90歳や100歳まで生きる人を合わせてようやく「2人に1人」となる(国立がん研究センターがん対策情報センター「最新がん統計」より)。
そう考えると、若い時期から保険をかける必要性に疑問が湧く。
※週刊ポスト2012年8月17・24日号