この夏、国内ビールメーカー各社が注力しているのが“黒ビール”。新商品の投入も相次ぎ、今年の黒ビール類の市場規模は、前年比6倍に伸長する見込みともいわれる。
3月、サッポロビールが第3の『黒』ビールとして『麦とホップ〈黒〉』を発売。ビール風味の発泡アルコール飲料というジャンルに、“黒”を投入した。本格的な黒ビールが持つ、コクと苦味を、のどごしがスッキリしている“新ジャンル”で実現したものだ。また、1~6月の販売数量が前年同期比約4割増など、好調のキリンの『一番搾り スタウト』も、「芳醇さ」と現代のビールに求められる「飲みやすさ」を一番搾り製法によって実現。
その後4月に発売され、もっぱら黒ビール類市場活況の牽引力となっているのが、『アサヒスーパードライ ドライブラック』だ。
「従来の黒ビールには、重い、飲みにくいというイメージがあったが、『スーパードライ』の製法を活用した『ドライブラック』では、しっかりしたコクは残しつつ、キレのある味わいが実現できました。それが特に20~30代の若者に受け入れられています」(アサヒビール・マーケティング本部木村宏之氏)
各社共通するのは、黒ビールにも、飲んだ後の“キレ”が重視されるようになっている点であり、まさに『アサヒスーパードライ』の原点。
さらに東京、名古屋、大阪、福岡の4都市で展開中の『アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR』では、0℃~マイナス2℃にまで冷やした『ドライブラック エクストラコールド』を提供している。氷点下にすることで、泡がクリーミーになり、独特のキレがより際立つ。イタリアンシェフ・川越達也氏と共同開発したオリジナルのチーズ料理3品も楽しめる。爽快なキレ味をもつ『ドライブラック』とチーズは相性がいいという自信作だ。
「きめの細かい泡と、爽快なキレ味が女性にも人気です。今年の夏は、かなり女性のお客様が目立ちますね」(『エクストラコールドBAR』店長・加藤勝利氏)
ブームの予感高まる黒ビールが、ビール市場復活の鍵となるか。